エウレカの憂鬱

音楽、映画、アニメに漫画、小説。好きなものを時折つらつら語ります。お暇なら見てよね。

【漫画紹介】『ハクメイとミコチ』 身長9cmのスローライフ

ハクメイとミコチ』はマキナタの森に住む小人の女の子、大工のハクメイ、料理上手なミコチと、仲間の小人や動物たちの日常を描いた本作。細かなディテールまでこだわった世界観はコマの端々まで面白く見ることができ、ファンタジーなのにどこか懐かしいような優しい気持ちになれる。

もうすぐアニメが放映されるということでその魅力をご紹介したい。

 

魅力①豊かでどこか懐かしい世界観

2人の住むマキナタ、港町アラビ、夜汽車の旅、樹上の家。小人たちの世界は幼い頃見た絵本のように愛らしく、どこかレトロで懐かしい。小人と動物と昆虫が一緒に働き、一緒に食事を楽しむ世界観は、見ていてほっこりするとともに、細部まで作り込まれているので彼らの毎日を一緒に体験しているような気持ちになれること請け合いである。

 

魅力②可愛いキャラクターたち

ハクメイとミコチをはじめとする小人たちはもちろん、仕事仲間のイタチのイワシ(名前)や友達のクワガタのコハルなどなど、魅力的な森の生き物たちが沢山登場する本作。小人たち以外は、リアル寄りの絵柄でサイズも実物の比率が意識されている。とくに動物たちの毛皮はふかふかそうで触りたくなる。

魅力③美味しそうなグルメ

ミコチは料理が大の得意。洋食和食お酒の肴、そのどれもが美味しそう。
バジルの入った出来立ての木苺ジャムを焼きたてのパンに乗せたり、キノコをオイル煮にしたり、どこにでもある食材なので味も想像しやすい。ミコチの料理以外でも、蜂蜜たっぷりのカヌレや秘伝のジュレップなど、思わず食べてみたくなる料理が沢山登場する。
中でも注目なのはおつまみ系。夜汽車の回に出てきた、球茶と生姜天、ビールと揚げ山芋、イワシの回で出てきた激辛チリポテトと香草入りビール。月見の露天風呂や旅の車窓など、巧みなシチュエーションも相まって見ているとおなががすいてくる。

 

魅力④素敵なハンドメイド生活

最近流行のハンドメイド。この物語でも小人たちの工夫を施したハンドメイドを見ることができる。
ブルーベリー(彼らにしたら林檎サイズなので切り分けて食べている)の皮を使って染めた洋服、竹のうろで作った露天風呂、ハーブティーを練り込んだ良い香りの手作り石鹸
機械を使わない手作り感満載の小人たちのハンドメイドは、ひと手間ひと手間作る喜びが丁寧に書かれており、楽しそうだ。

 

★小人たちと一緒に、いざスローライフ

季節のイベントやお祭り、少し遠出をしてみたり、手作りの露天風呂で酒と料理に舌鼓したり、港町の布屋街ではしゃいだり。もちろん仕事は一生懸命、悩みながらも新しいことに挑戦して充実している。これってきっと誰もが描く理想の生活ではないだろうか。

小人になってとまではいかなくてもも、四季の移ろいを感じる、手作りに挑戦してみる、仕事を少し前向きに楽しんでみるなど、ちょっと方向転換したり冒険したりするだけで、誰もが毎日を今より少し充実させることができるはず。
この本の素敵なところは、ハクメイたちの生活を疑似体験できるだけでなく、自分も豊かな生活をしようという前向きな気持ちになれるところであると思う。

人生を楽しむ指南書として、一読の価値あり。

 

◯「ハクメイとミコチ」が好きな人にオススメしたい作品

天野こずえARIA(AQUA)」(漫画)
・いわむらかずお「14匹シリーズ」
(絵本)
池田あきこ「ヨーヨーとココのちょこっと猫つまみ」(漫画)