エウレカの憂鬱

音楽、映画、アニメに漫画、小説。好きなものを時折つらつら語ります。お暇なら見てよね。

【映画感想】ドラえもん短編映画①『のび太の結婚前夜』

大山版のドラえもん後期の短編は、大人向けにも十分通用するハイクオリティなものばかりである。むしろ大人になってみるとよりグッとくる。

そんな素敵な短編映画のうちいくつかを3回に分けて紹介したい。

ちなみに名作と誉れ高い『おばあちゃんの思い出』は今の所未視聴である。

だって絶対に泣くからさー。

 

ということで、1回目は青年期ののび太が主役の『のび太結婚前夜』の感想を書いていきたい。

 

小学生ののび太は、本当にしずかちゃんとちゃんと結婚できるのか不安を覚え、未来を見に行くことにする。着いた先は、ちょうどのび太としずかちゃんの結婚直前であった。

 

未来で描かれた青年になっても変わらないのび太の優しさは、しずかちゃんが選んだ理由としても納得。式場でのウェディングドレス試着時の靴の向きなど大変細かいところに行き届いた演出が光る。ジャイアンの歌に「へたくそ~」とヤジを入れたり(そしてそれに対するジャイアンもしかり)、小学生時代の先生にジャイアンのことを豪田と言ったり、あののび太が時を重ねて大人になっているのが、感じ取れるようなセリフ回しはみごとである。それにしてもジャイアンスネ夫出木杉君も、子供時代からの仲間っていいものだ。疎遠にならずに良好な友人関係を続けているのが微笑ましい。

スタンドバイミーではなんだか頼りない大人のび太になっていたが、この作品では心身ともに成長した素敵な青年になっている。しずかちゃん、のび太を選んで本当によかったね。