エウレカの憂鬱

音楽、映画、アニメに漫画、小説。好きなものを時折つらつら語ります。お暇なら見てよね。

2020-01-01から1年間の記事一覧

【アニメ紹介】『FLAG』レンズが写す争いと祈り

現実と地続きのリアルなロボットが登場する戦争を報道カメラマンの目線で描く意欲作『FLAG』を紹介したい。 あらすじ 内戦が続くアジアの架空の小国ウディヤーナ。その和平交渉の架け橋となった一枚の写真とそこに描かれた旗「FLAG」。和平協定を前にその平…

【映画感想】『茄子-アンダルシアの夏』郷愁と男たちの熱い戦い

過酷なロードレースが行われるアンダルシアを舞台にした人間ドラマ。 監督はスタジオジブリで作画監督として数々の作品を手掛けてきたベテランアニメーターの高坂希太郎。1時間弱の短い時間の中で、図らずもかつて背を向けた故郷のアンダルシアを、もっとも…

【映画考察】『シン・ゴジラ』日本人から探るゴジラの実像

2016年にヒットした庵野康明監督のシンゴジラを取り上げてみる。 ○本作のターゲットは日本人である 本作が海外でウケが良くないという話を聞くにつけ、なぜ海外の評価を気にする必要があるのかと疑問に思わずにはいられない。この映画は日本人による日本人の…

【映画感想】『海洋天堂』平凡にして偉大なるすべての父と母へ

素晴らしい映画に出会えた。 心を深く揺さぶられ、見終わったときに胸の中を暖かく重たい水で満たされたような、あるいは胸に大きな穴が空いてしまったような、切ないような、哀しいような、それでいてどこまでも優しく愛しい言葉にできない感情に打ちのめさ…

【映画感想】『メイド・イン・ホンコン(香港製造)』

90年代香港は子供ながらに憧れの街だった。原色のネオンの看板、夜も眠らない高層ビル群の夜景、魔窟・九龍城砦、カンフースター、アジアであってアジアでない大都会。大人になって初めて訪れたときのあの高揚感は今でも忘れられない。ただその時すでに返還…

【アニメ紹介】『パンスト』愛すべきアメリカン風おバカコメディ

私は子供の頃テレビで『オースティンパワーズ』をみてあまりの下品さに驚いた思い出がある。それと同時に、アメリカのコメディのあまりの明け透けさに一種の異文化への憧憬のようなものを覚えたのも確かである。 子供の頃のそんなお下品でおバカで飾らない底…

【映画感想】『ダニー・ザ・ドッグ』イノセントなジェット・リーにメロメロ

リュックベッソンの作る映画は『レオン』しかり『グランブルー』しかり、イノセントな男の描写が秀逸である。 ベッソン作品は物語の辻褄よりも感情やロマンを優先する作風なので、合う人には合うが合わない人には合わない。 ちなみに私は好きな方だ。 本作は…