2019-01-01から1年間の記事一覧
友人に勧められてみたホラー映画。 スナック片手に観れる程度のゴアで、ホラーというよりサイコスリラーのようなかんじ。 ちょっとくすんだ東欧系のカラーリングや、レトロなファッションと舞台美術、カメラワークなんかは大変かっこよかったのだが、一度見…
塚本晋也監督の『野火』。 8月15日なので戦争ものをという謎の義務感でprimeで見つけたこの作品を視聴。前評判にビビりつつ見たが、やはり前評判通りだった。 フィリピンのジャングルで飢餓と銃撃の恐怖のなか彷徨う主人公を追う本作、敵が潜むジャングルに…
今回は、最近話題の鬼滅の刃を取り上げてみたい。 直接的なものはある程度避けたつもりだが、関係性なんかのソフトなネタバレがあるので単行本未読の方は注意注意! 諸兄は鬼滅の刃に散りばめられたあるコードにお気づきだろうか。 キーワードとなるのは〝鉄…
近藤ようこ氏の作品は不思議な魅力を持っている。 極力省かれた線や曖昧な背景、まるで 学生時代ノートに書き綴った漫画のような作画など、最近の書き込まれた漫画に慣れたものにはいささか物足りなく感じられるかもしれない。 しかし読んでみれば、その漫画…
絶対に家に置いておきたくない本。 『残穢』を検索すると必ず出てくるのがこの言葉である。これは元を辿れば、本作が山本周五郎賞を受賞した際の審査員の言であるのだが、読んだものはその理由を十二分に理解できる。 そう、本書は本当に家に置いておきたく…
たまには感傷的に映画を語ろう。 初めてリュック・ベッソン監督の 『グラン・ブルー』を観た。 透明感のなかに残酷さと孤独感がたゆたい、しんと心に染み入るような静謐な映画だった。 この映画を見たときの明るくて陽気なのに哀しいというこの空気感覚は、…
『彼方のアストラ』がこのマンガがすごい一位になったそうな。 既読者からすると当然の結果なのだが、この機会に多くの人に知ってもらえるというのは嬉しい。 これを機に今まで書こう書こうと思って下書きに眠っていたこの感想をあげちゃおうと思う。 あらす…
正月のテレビ欄を見たらおや? そこにYAWARAの6文字が。 20年以上前の作品をなぜ今? と思ったが、そういえば来年は東京五輪だ。YAWARAを観ながらオリンピックへの機運を高めようぜ! ということだろうか。 YAWARAは20世紀少年の作者である浦沢直樹氏がビッ…
散見される民俗学的モチーフ 前回までの記事では、百鬼丸の出自についていくつかのモチーフを元に考察してみた。 今回は前回までの記事で拾えなかったモチーフについて書こうと思う。 アニメの進行に沿って増やしたいくのでもし興味がある方がいたならば、思…
【アニメ考察】『どろろ』と民俗学的モチーフ 前編 - エウレカの憂鬱 前編のつづき 4.百鬼丸は鬼か桃太郎か 少し戻るが百鬼丸が捨てられた理由を、もう少し時代を遡って考えてみよう。 百鬼丸は手足も目鼻もない不具の体であり、これは一種の異常出生である…
ちょっと論文ぽいタイトルを気取ってみたが、内容はまあまあ薄味であると先に言っておく。どのくらいかというとカルピスを10倍の水で薄めたくらいでございますのでそこんとこよろしくおねがいします。 1.あらすじ 2.流された英雄、百鬼丸 3.百鬼丸のモデルは…
漫画の実写化と往年の名作のリブートには期待しない事にしている。その理由はこんな末端のブログまでお読みになる諸氏には言わずとも伝わることと思う。 さて、2018年秋、手塚治虫の未完の名作『どろろ』がリブートすることを知った。個人的には『火の鳥』、…
絵のある漫画は名作だ。 漫画は絵で出来てるんだから当たり前だ、と言われるだろう。 ここでいう絵とは印象的に考え抜かれて構図で絵画のそれのように一枚でドラマを描き切る、「絵になるねえ」の絵である。 コマとその行間には常に時間が流れている漫画とい…