2018-01-01から1年間の記事一覧
『カクシゴト』は『かってに改蔵』や『絶望先生』の久米田康二 の最新作である。 後藤可久士には娘の姫に重大な秘密を隠していた。それは自身が下ネタ漫画家、つまり"描く仕事"をしているということである。カクシゴトは可久士と天然娘の姫の周りで巻き起こ…
90年代があの頃の仲間入りをしたのはいつだったろうか。 私の話になり恐縮だが、小学校から中学校時代を丸々過ごした90年代は、バブル崩壊、阪神大震災、オウム事件、雲仙の大噴火など暗い出来事ばかりが記憶に残る一方、アニメやゲームなどの表現分野では…
1997年に放映され、華麗な少女漫画風の絵柄と前衛芸術的な手法を駆使した演出、どろどろの愛憎絡み合った心理描写、恣意的で哲学的でありながら謎めいたストーリーなど、アバンギャルドな作風で現在でもカルト的な人気を誇る本作。監督は美少女戦士セーラー…
不死身の存在フシと、彼が遭遇する人々の生と死。生と死を通してフシは少しづつ生きることを学んでいく。これは生きるとは何か、人間とは何かを描いた叙事詩。 第1章 孤独な少年との邂逅フシ(この時点で名前はないが便宜上この名で呼ぶ)の誕生から雪に閉…
胸糞サスペンス復讐譚。 ミスミソウを宣伝する際わたしならこういうコピーをつけるだろう。この本は良心を横に置いてから読むことをお勧めする。グロ耐性のない方、心が大変清らかで優しい方も見ないほうがいいだろう。 おおまかなあらすじをいうと、薄幸の…
新選組。 幕末。浅葱のだんだら羽織を靡かせ、不逞浪士を斬り京の町を震撼させた壬生の狼。 歴史ファンでなくとも名前くらいは知っているであろう。 どういうわけか新選組には熱烈なファンが多い。もちろんわたしもその一人である。そう言ったファンには、絶…
おそ松さんは、言わずと知れた赤塚不二夫のギャグ漫画『おそ松くん』を原作(原案?)としたギャグアニメであり、一期放送当時爆発的人気を博し、今放送されている二期もこの三月に無事最終回を迎える。 賛否色々あった二期であるが、わたし個人的には一期に…
ドラえもん短編映画最後の一本は、まさかのジャイアンが主役である。 これは隠れた名作。 ジャイアンの男気が堪能できること請け合いな、ジャイアンファンにはたまらない一本である。メインはジャイアンとジャイ子。 ドラえもん、のび太、しずかちゃん、スネ…
ドラえもん短編映画感想、前回は大人のび太の話だったが、今回は子供のび太の話である。 家出をしたのび太が、過去に遡り自分が生まれた頃の両親に出会うというお話。 冒頭から一貫して描かれていた一本の木。ファミリーツリーとしての野比一家の軌跡と一本…
大山版のドラえもん後期の短編は、大人向けにも十分通用するハイクオリティなものばかりである。むしろ大人になってみるとよりグッとくる。 そんな素敵な短編映画のうちいくつかを3回に分けて紹介したい。 ちなみに名作と誉れ高い『おばあちゃんの思い出』は…
伊藤潤二作品との出会いは新宿のカプセルホテルの談話室の、やけにマニアックなタイトルが並ぶ本棚の一角で見つけた『富江』であった。その耽美な絵柄と不条理な内容は新宿の奇妙な一夜とともに心に刻まれた。刻まれはしたが、ディープなエログロナンセンス…
今回はティムバートン監督作品の『スリーピーホロウ』を紹介する。 主役はもちろんジョニーデップ。個人的にはティムバートン作品の中で「ビッグフィッシュ」「シザーハンズ」と共に最も好きな作品である。本作はアメリカ・ニューヨーク州に伝わる首なし騎士…
『封神演義』の2度目のアニメ化。 原作ファンのわたしはなんやかんや封神演義の世界観が動画で観れることを楽しみにしていたのだが(前作は地方格差の影響で未視聴)、1話を観た感想はなんというか、期待はずれだった。 率直にいうと構成が上手くない。 世界…
わたしは何を隠そう静岡県民であるので、この作品をあげないわけにはいかないだろう!ということで今回挙げるのは『ちびまる子ちゃん』である。 といっても今放送されているものではない。ちゃんと笑えて泣けるちびまる子ちゃんを自信を持って紹介しようと思…
『ハクメイとミコチ』はマキナタの森に住む小人の女の子、大工のハクメイ、料理上手なミコチと、仲間の小人や動物たちの日常を描いた本作。細かなディテールまでこだわった世界観はコマの端々まで面白く見ることができ、ファンタジーなのにどこか懐かしいよ…